令和8年10月1日より、北海道の地域別最低賃金が1,131円(引き上げ額+56円)に改定されました。
給与単価の引き上げは、パート・アルバイトだけでなく既存社員の賃金調整にも波及し、経営にとって大きな負担となります。
そこで活用したいのが国の「賃上げ促進税制」ですが、令和8年度の税制改正で要件が見直されているため注意が必要です。
1. 賃上げ促進税制の最新ポイント(中小企業向け)
賃上げ促進税制は、給与支給総額を前年度より一定以上増やした企業が、増加額の一部を法人税や所得税から直接控除できる制度です。
最大35%の税額控除:賃上げ率に応じた「基本控除(最大30%)」に、子育て支援(くるみん)や女性活躍(えるぼし)の認定取得による「上乗せ(+5%)」を組み合わせて最大35%となります。
※当期が赤字で税控除しきれなかった場合でも、最長5年間の繰越が認められています。
【重要】教育訓練費の上乗せ措置(最大+10%)の適用期間
研修費などを増やした場合の上乗せ措置は令和7年度末(令和8年3月31日)をもって廃止されました。
法人:令和8年3月31日までに開始する事業年度まで適用可能(例:3月決算法人なら令和8年3月期まで)
個人事業主:令和8年分(2026年12月31日まで)まで適用可能
※令和8年4月1日以降に開始する事業年度(個人事業主は令和9年分〜)からは本上乗せが利用できなくなります。
2. 今すぐ経営者が取り組むべき2つのアプローチ
・賃金シミュレーションの実施
時給制従業員だけでなく、月給制従業員の時給換算額や各種手当(通勤手当や固定残業代など除外項目の確認)を含めて総額の影響を確認します。
・適用時期と控除額の試算
自社の事業年度が教育訓練費の上乗せ期間内かどうかも含め、改定に合わせてどの程度の税額控除が見込めるかを税理士等へ早期相談しましょう。
おわりに
最低賃金の引き上げは避けて通れませんが、最新の賃上げ促進税制や業務改善助成金などを組み合わせることで、コスト負担を和らげつつ職場環境を強化できます。
「義務だから対応する」から「制度を活用して攻めの経営につなげる」へ。この秋の改定を機に、自社の給与体系と節税プランを見直してみませんか?