軽減税率制度に関する国税庁Q&A集

2019.08.13の記事では、消費税の引き上げ及び軽減税率導入について、飲食店に必要な対応について記載しました。
とくに軽減税率制度については国税庁からもQ&A集が公表されており、10月1日を迎える前に、関係するような箇所については一度は目を通しておいた方がよいと思われます。

今回のブログではその中からいくつかピックアップして紹介します。
以下は国税庁のリンクです。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/02.htm

(水産物の販売)
Q)当社では、食用の生きた魚を販売していますが、軽減税率の適用対象となりますか。 A)人の飲用又は食用に供される活魚は「食品」に該当し、その販売は軽減税率の適用対象となります。なお、生きた魚であっても人の飲用又は食用に供されるものではない熱帯魚などの観賞用の魚は、「食品」に該当せず、軽減税率の適用対象となりません。

(コーヒーの生豆の販売)
Q)当社は、コーヒーの生豆の販売を行っていますが、軽減税率の適用対象となりますか。
A)人の飲用又は食用に供されるコーヒーの生豆は「食品」に該当し、その販売は軽減税率の適用対象となります。

(お酒の販売)
Q)お酒の販売は、軽減税率の適用対象となりますか。
A)酒税法に規定する酒類は、軽減税率の適用対象である「飲食料品」から除かれていますので、酒類の販売は軽減税率の適用対象となりません。

(ノンアルコールビール、甘酒の販売)
Q)ノンアルコールビールや甘酒(アルコール分が一度未満のものに限ります。)の販売は、軽減税率の適用対象となりますか。
A)酒税法に規定する酒類に該当しない飲料のため、軽減税率の適用対象である「飲食料品」に該当し、その販売は軽減税率の適用対象となります。

(日当等の取扱い)
Q)当社は、従業員の出張の際に、旅費規程に基づき、日当を支給しています。この日当は、出張時の外食費や飲食料品の購入などに充てられることもあります。なお、その支出内容につき、従業員から領収書等の提出を求め実費で精算を行うものではありません。このような日当の適用税率を教えてください。
A)従業員等の出張等に際し、その出張等に必要な支出に充てるために事業者がその従業員等に対して支給する日当は、仮に従業員等が軽減税率の適用対象となる「飲食料品の譲渡」に充てたとしても、事業者は「飲食料品の譲渡」の対価として支出するものではないことから、軽減税率の適用対象となりません。

(食品の加工)
Q)当社は、取引先からコーヒーの生豆の支給を受け、焙煎等の加工を行っています。当社の行う加工は、軽減税率の適用対象となりますか。
A)コーヒーの生豆の加工は、役務の提供に該当しますので、軽減税率の適用対象となりません。

(セルフサービスの飲食店)
Q)セルフサービスの飲食店での飲食は、軽減税率の適用対象となりますか。
A)セルフサービスの飲食店であっても、顧客にその店舗のテーブル、椅子、カウンター等の飲食設備を利用させて、飲食料品を飲食させていますので、軽減税率の適用対象となりません。

(屋台での飲食料品の提供)
Q)屋台のおでん屋やラーメン屋、フードイベント等での飲食料品の提供は、軽減税率の適用対象となりますか。また、テーブル、椅子などを設置せずに行う縁日などにおける屋台のお好み焼きや焼きそばの販売は、軽減税率の適用対象となりますか。
A)屋台のおでん屋やラーメン屋、フードイベント等で、テーブル、椅子、カウンター等の飲食設備で飲食させている場合は、軽減税率の適用対象となりません。なお、ここでいう飲食設備は、飲食のための専用の設備である必要はなく、また、飲食料品の提供を行う者と飲食設備を設置又は管理する者(以下「設備設置者」といいます。)が異なる場合であっても飲食料品の提供を行う者と設備設置者との間の合意等に基づき、当該飲食設備を飲食料品の提供を行う者の顧客に利用させることとしているときは、「飲食設備」に該当します。
そのため、屋台を営む事業者が、
① 自らテーブル、椅子、カウンター等を設置している場合
② 自ら設置はしていないが、例えば、設備設置者から使用許可等を受けている場合
は、軽減税率の適用対象となりません。
一方、
③ テーブル、椅子、カウンター等がない場合
④ テーブル、椅子、カウンター等はあるが、例えば、公園などの公共のベンチ等で特段の使用許可等をとっておらず、顧客が使用することもあるがその他の者も自由に使用している場合
は、軽減税率の適用対象となります。

Q)当社は、スーパーマーケットを運営し、弁当や惣菜等の販売を行っています。店舗には、テーブルや椅子を設置したイートインスペースがありますが、「お飲み物とベーカリーコーナーのパンについてはお会計いただいた後イートインスペースでお召し上がりいただけます」と掲示しています。その場合、飲み物やパン以外の飲食料品(弁当や惣菜等)を販売する際にも、顧客に対して店内飲食か持ち帰りかの意思確認が必要ですか。
A)飲食設備のあるスーパーマーケットでは、飲食料品を販売する際には、顧客に対して店内飲食か持ち帰りかの意思確認を行うなどの方法で、軽減税率の適用対象となるかならないかを判定することとなります。
ただし、イートインスペースにおいて飲み物とパンのみが飲食可能な旨の掲示を行うなどして実態としてそれら以外の飲食料品を顧客に飲食させていない場合、それら以外の飲食料品については、そのイートインスペースにおいて飲食されないことが明らかであることから、持ち帰り販売のみを行うこととなりますので、意思確認は不要となります。
(注) 飲み物とパンのみが飲食可能な旨の掲示を行っていたとしても、実態としてそれら以外の飲食料品も顧客に飲食させているような場合におけるその飲食料品の提供は「食事の提供」に当たり、軽減税率の適用対象となりません。

(飲食店で残りを持ち帰る場合)
Q)当店では、顧客が注文した料理の残りを折り詰めにして持ち帰らせるサービスを行っています。この場合の持ち帰り分については、軽減税率の適用対象となりますか。
A)その場で飲食するために提供されたものは、その時点で「食事の提供」に該当し、その後持ち帰ることとしても、「飲食料品の譲渡」に該当せず、軽減税率の適用対象となりません。 「食事の提供」に該当するのか、又は「持ち帰り」となるのかは、その飲食料品の提供等を行った時点において判定することとされています。

(食品と食品以外の資産が選択可能である場合の一体資産該当性)
Q)当社は、店内飲食と持ち帰りのどちらもすることができる飲食店を経営し、お菓子とドリンクとおもちゃをセット商品として販売しています。このセット商品のお菓子・ドリンクは、顧客がメニューの中から選択することができるようにして販売していますが、顧客がこのセット商品を持ち帰る場合、一体資産に該当しますか。
A)「一体資産」とは、食品と食品以外の資産があらかじめ一の資産を形成し、又は構成しているもの(一の資産に係る価格のみが提示されているものに限ります。)をいいます。
ご質問のように、そのセット商品を構成する食品又は食品以外の資産について、顧客が選択可能であれば、あらかじめ一の資産を形成し、又は構成しているものではないため、一体資産に該当せず、個々の資産の譲渡等の対価の額が合理的に区分されていない場合には、それぞれの資産の価額に基づき合理的にあん分する必要があります。
なお、ご質問のお菓子とドリンクの販売は、「飲食料品の譲渡」に該当し、軽減税率の適用対象となりますが、おもちゃの販売は、軽減税率の適用対象となりません。その場合、売価や仕入原価などからそれぞれの対価の額等によりあん分するなどして、軽減税率適用対象の対価の額、軽減税率適用対象外の対価の額を算出することとなります。
(参考) セット商品を構成する食品又は食品以外の資産について、選択可能な組合せのパターンを提示し、それぞれ組合せに係る価格のみを提示している場合には、一体資産に該当しますのでご留意ください。

(1万円以下の判定単位)
Q)当社では、紅茶とティーカップを仕入れてパッケージングし、セット商品として小売事業者に卸売販売しています。販売に際しては、100 個単位で販売しており、販売価格を 100,000 円(税抜き)としています。この場合、軽減税率の適用対象となる一体資産かどうかの判定に当たり、一体資産の譲渡の対価の額(税抜き)が 10,000 円以下かどうかは、どのように判定することになりますか。
A)軽減税率の適用対象となる一体資産かどうかの判定に当たり、一体資産の譲渡の対価の額(税抜き)が 10,000 円以下かどうかは、セット商品1個当たりの販売価格で判定することとなります。
したがって、ご質問のセット商品1個当たりの税抜き販売価格は、1,000 円(100,000 円÷100 個)となりますので、一体資産の譲渡の対価の額(税抜価額)は、10,000 円以下となります。

上記のQ&Aは国税庁から公表されているほんの一例です。公表されているQ&Aはかなりの数に上ります。疑問が生じたらまずは国税庁のHPを見て調べてみるのもよいかもしれません。もちろん、弊社までお問い合わせいただいてもご対応いたします。

関連記事

  1. 賄い支給時の注意点

  2. 【令和3年】ふるさと納税がまだの方、年内に行いましょう!

  3. 令和2年10月 酒税の改正

  4. 所得拡大促進税制の活用

  5. 青色申告特別控除

  6. 業務改善助成金

PAGE TOP