ブログをご覧のみなさまこんにちわ!FUJITA税理士法人飲食チームの石山です。
実は私この今の仕事に就く前は、飲食業の経理・総務をしていました。
経理といってもフルタイムで事務職を行っていたわけではなく、現場仕事と事務仕事をどちらも行っておりました。
現場仕事と事務仕事の両立は、特に事務仕事が苦手な方にとっては非常に労力を要するものです。
実際に昼職のイメージがある事務職を終えてからディナータイムの現場INし、閉店間際まで体を動かして働くのは体力も気力も必要でした。
あの頃はまだ若かったからできたのかな…と思う部分もあります。笑
そこで現場に出ながらスムーズに事務処理を行うための、私なりのワンポイントアドバイスをお伝えいたします。
売上管理は「データ」で。そういうのは難しい…と目を背けない!
今では無料、もしくは安価で使用できるポスレジが主流になってきたので、エクセルで売上を管理しているという方も少し減ってきているように思えます。
飲食業、特に新型コロナウイルスの影響でテイクアウトを行っているお店は軽減税率も絡んでくるので、レジを導入しているところがほとんどですね。
ただ、どうしてもレジの導入ができない場合は、やはりエクセルを使用し、データで売上を管理・保存することを強くお勧めします。
売上高以外にも、仕入・人件費・固定費等の情報もうまく組み合わせてエクセルでまるっと管理することにより、お店の利益が日別で可視化できるようになっていきます。
もちろんはじめは、複雑な関数など導入しなくても大丈夫です。シンプルに「合計」を入れる、足し算引き算、そういう簡単なところからでもいいのでデータに残すことをしていってみてください。
そうすると将来的にいざ何かを分析しようと思った時に、データで数字が残っているだけで便利度が天と地の差です。
今ではGoogleドライブなどのGoogleクラウドサービスの中に、Googleスプレットシートというエクセルと同様の機能をもったソフトが存在します。
パソコンがない、デバイスがipadやスマホしかないという方でも、これがあればデータでお店の売上等の情報を打ち込むことができますよ。
多店舗展開している場合も、全員で同じデータを共有することももちろん可能です。
もちろん、ポスレジがあればレジの機能を最大限に活かす方に力を注いだほうがよいとは思います。
逆をいうと、ポスレジに加えエクセルでも管理するというのは、二度手間になってしまうので時間がもったいないです。
領収書はため込まない
とても基本的なことかもしれませんが、領収書をためこまない事に越したことはないです。
財布に大量の領収書であふれる前に、ポケットのファイルや、何か小分けになったボックスに、勘定科目ごと(お金の使い道ごと)に分けておくのがいいでしょう。
「仕入」「消耗品」「交際費」「広告費」「光熱費」などに分けておけば、たとえ但し書きが【品代】だったとしても、何に使うものを購入したのか思いだせるかもしれませんしね。
領収書はノートに貼って保管するんでしょ?と聞かれることもありますが、必ずしもノートに貼っておく必要はないので、袋か何かにまとめて保管しておくのでもOKです。
また、エクセルなどのデータに「日付・勘定科目・内容・金額」を1列に記載しておいたほうがこちらも便利。どうせ会計ソフトに入力するんだから二度手間になるんじゃないの?
と思ってる方もいるかもですが、エクセルデータに明細まとめておけば、すべての情報を会計ソフトに入力する必要はないのです。
<例>
食材の材料仕入を ・6/1 200円 ・6/15 500円 ・6/30 700円 を買ったとします。
エクセルデータにまとめ、1カ月の「仕入」の合計額1400円と計算できるように式を組み、保存しておきます。
そして会計ソフトに入力するときは、「別途明細保管」と摘要に記載しておけば、6/30 仕入 1400円 と1本だけ仕訳を登録すればOKです。
「エクセルに1列打ち込む」のと、「会計ソフトに領収書を打ち込んで毎回保存する」
この手間を比較すると、後者の方が気が引ける…という気持ちになってくると思います。
実際に私も飲食業経理を行っているときからこの方法を使っていました。毎日材料を購入しているのですから、領収書の数は計り知れなく、この手法を使わないと現場に出る時間が無くなっていたかもしれません。
無駄な資金移動をしない
現預金の管理の方法は人それぞれですが、複数の通帳を使い分けていらっしゃる方も少なくないです。
「売上預入・売掛金回収用」「支払用」「納税用」と分けていらっしゃいますが、わたしとしては通帳は1つで十分と感じます。
(消費税課税事業者の方は、納税用通帳があったほうがいいかなとは思います)
お金を入れておく用の通帳と、支払い用の通帳、シンプルに同じ通帳にしておけば、資金移動の手間は省けます。
お店の成績を決めるのはあくまでも利益であり、通帳の残高や現金ではありません。
例えば5万円の売上で、1万円の利益があったといっても、手元に1万円が残るわけではないです。
減価償却費・年払いの保険料・経費にならない借入の返済などを考慮したら、キャッシュは利益をイコールではないのです。
キャッシュを考えることはもちろん大事ですが、
「利益分お金がないぞ?なんで?」とならないよう、データで数字を読み取っていくのが大事になってきます。
スマホが使えるならだいたいのことはできる
飲食業はすばらしい「職人さん」が多い業種であると感じます。ホールスタッフも、料理人も、みなさんの技術の掛け合いでひとつのお店を演出し、お客様にお食事のみならず空間も時間も楽しんでもらえるのだと感じます。
ただ職人気質な反面、昔からパソコンが苦手で…という方も多い印象です。
ですがみなさん、スマホ使ってますよね?スマホが使えればある程度のことは何でもできます。
エクセルも、口座残高確認も、振込も、今の時代スマホである程度のことは何でもできちゃいます。
わたしたちはそのような苦手意識のある方でも、管理が簡単にできるよういろいろ工夫したデータ資料を提供しています。
お客様に合わせたものを提供するというのは、どの業界でも必要ですし、いい関係を築くツールなってくれると思っています^^
事務業務が苦手な方への、わたしなりのアドバイスでした!
筆者:石山有美