在庫処分による廃棄損計上

飲食店を経営していて、避けて通れないものが「食材の廃棄ロス」です。
あまりケースとしては無いかもしれませんが、例えばイベントで大量に仕入れて余った材料をいつまでも使用せず、業者の冷凍倉庫に借りて置いていたとします。
今後その食材も使用する予定もないのであれば、倉庫の保管料も無駄ですし、廃棄損として計上した方が経費になりますし、節税となります。

上記例は極端ですが、賞味期限切れやオーダーミスなど、食材の廃棄ロスは恒常的に発生します。
これらももちろん経費になりますが、二通りの計上方法があります。

①何もしない(棚卸に計上しない)

食材等は仕入れたときに経費になっています。使っていない材料は棚卸資産として経費から除かれますが、廃棄したものを棚卸資産に計上しなければ除かれることもなくそのまま経費になります。

②棚卸資産廃棄損として計上

仕入からは除かれますが、別勘定の「棚卸資産廃棄損」として経費計上。

上記2つの最終利益はどちらも変わりません。
①の方が簡易的で実務的にも多いですが、経営管理の観点からは②の方が良いと言えます。

①のケースですと「廃棄分も含めての原価率」となりますが、②は「売上に対する純粋な原価率」が把握することができますし、廃棄率も把握することができます。
原価率が何%かというのは経営戦略上大変重要なのはもちろんですが、廃棄をいかに少なくするかも経営的に重要になってきます。
例えば、利益が減少した際に、その要因が「材料が高騰している」のか「廃棄ロスが多くなっている」のかでは、対策方法は全く違ってきます。

今回のテーマは節税とは少しズレてしまいしたが、是非参考にしていただきたいと思います。

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